営業職は顧客に謝罪する機会が非常に多いです。
「すみません」「申し訳ございません」「申し訳ありません」を1億回以上使うことになります。
なぜなら顧客との直接的なやり取りが多く、様々な要因で誤解や問題が生じやすいからです。
あなたはこの謝罪と上手く付き合っていく必要があります。
どんなに有能な人でも、謝罪するのは絶対に嫌だ!という人でも、絶対に謝罪する機会は訪れます。
どのような場面で謝罪が発生するのか
顧客との期待値の違い
営業職では、顧客に製品やサービスを提案し、契約を取ることが主な業務となります。
しかし、顧客の期待と実際に提供される製品・サービスとの間にギャップが生じた場合、
その責任が営業担当者に問われることがあり、謝罪が必要になります。
納期や品質の問題
営業担当者は顧客と製品の納期や品質について約束を交わします。
しかし、製造や配送の遅延、品質の問題などが発生した場合、顧客から不満やクレームが発生し、
営業担当者がその対応に追われることになります。
誤った情報の提供
営業の現場では、製品やサービスに関する複雑な情報を伝えることがありますが、
誤解や不正確な情報が伝わった場合、後々トラブルに繋がることがあります。
その際、営業担当者が責任を取って謝罪することが求められます。
価格交渉や契約条件のトラブル
価格や契約条件についての交渉が難航することがあり、顧客が納得できない結果になった場合、
営業担当者がクレーム対応をすることが多くなります。
チーム間のコミュニケーション不足
営業担当者が社内の他部署(技術部門、設計部門、サービス部門等)と十分にコミュニケーションを取れていない場合、
顧客に正確な情報やサポートを提供できず、問題が発生することがあります。
この場合も営業担当者が一番前に立って謝罪することが多いです。
謝罪に必要なスキル
私は数えきれないほどの謝罪をしてきましたが、謝罪に必要なスキルは6つあると考えます。
共感力
相手の気持ちを理解し、相手の立場に立って考える能力です。
共感力があると、相手がどのように感じているのかを理解し、その感情に対して適切に対応することができます。
第一歩は相手は怒っているのか、悲しんでいるのか、不安を感じているのかを察知することが重要です。
これは言葉だけではなく、相手の表情、声のトーン、身体の動きなどから読み取ることもできます。
自分の視点ではなく、相手の視点を理解することも重要で、相手が置かれている状況や背景を考慮し、
なぜそのような感情を抱いているのかを理解しようとする姿勢が大切です。
謝罪の場面では共感を示すことで相手が受け入れやすくなり、対話がスムーズに進むことが期待できます。
傾聴力
相手の話をただ聞くのではなく、積極的に理解しようと努める能力です。
相手が何に対して不満を持っているのかを正確に聞き出すためには、
相手の話を遮らず、注意深く聴き、言いたいことを理解しようと努めることが大切です。
頷き、アイコンタクト、表情などで相手に話をしっかり聞いていることを示すことが重要で、
相手に「あなたの話を理解しようとしている」という意欲を伝える必要があります。
相手が話し終わった後に少し間を置くことで、相手がさらに話したいことを引き出すことができます。
沈黙は相手に考えを整理する時間を与えるため、沈黙を恐れないことも重要です。
誠実さ
行動や言葉に一貫性があり、相手に対して紳士で正直である態度や誠実を指します。
誠実な謝罪は、相手との信頼関係を再構築するための第一歩です。
誠実さが感じられる謝罪は相手に対して「あなたの感情や状況を真剣に受け止めている」というメッセージを伝えます。
これにより、相手は「この人を再び信頼しても良いかもしれない」と思うきっかけを得ることができます。
誠実でない謝罪は、形式的なものと感じられ、相手にさらに不満や怒りを引き起こすことがあります。
謝罪における誠実さは謝罪の言葉に重みと真実味を与え、相手との関係修復を成功させるためのカギとなります。
適切な言葉選び
謝罪において適切な言葉選びは、謝罪の効果を大きく左右します。
曖昧な表現や回りくどい言い回しは、相手に誤解を与え、謝罪の真意が伝わらないことがあります。
具体的で明確な言葉を使うことで、相手に自分の気持ちや考えを正確に伝えることができます。
謝罪において言い訳を避けることが非常に重要です。
「忙しくて対応が遅れました」や「他の業務が立て込んでいたため」などの言い訳は必ずせず、
「今後は再発防止に努めます」や「同じことが二度と起こらないようにいたします」といった真剣さと改善意思を伝えることが必須です。
冷静さ
冷静さを保つことで、自分の感情をコントロールし、謝罪の内容に集中することができます。
感情的になると、話し方が急かされたり、強い言葉になることがあり、相手に不信感を与えることがあります。
冷静に状況を分析し、具体的な問題点を把握することで、より効果的な謝罪と解決策を提示できます。
問題解決能力
単に謝罪するだけでなく、実際に問題を解決し、再発を防ぐために不可欠な能力です。
謝罪の際には、まず問題の本質を正確に理解する必要があります。
問題解決能力が高いと、何が問題なのか、どの部分が誤解や失敗を引き起こしたのか明確に把握できます。
また、謝罪に続いて迅速かつ効果的に問題を解決することで、相手の信頼を回復しやすくなります。
例えば、納期遅延の場合には、遅れの原因を分析し、再発防止策を具体的に示すことができれば、相手に安心感を与えることができます。
問題の本質を理解し、具体的な改善策を提示し、再発防止策を策定することが謝罪を成功させるカギとなります。